土地家屋調査士ってどんな職業?業務内容から年収、活躍の場まで詳しく解説!

土地家屋調査士ってどんな職業?業務内容から年収、活躍の場まで詳しく解説!土地家屋調査士
この記事ではこれがわかる!

・土地家屋調査士の業務内容とは?

・土地家屋調査士になるにはどうすればいいの?

・土地家屋調査士の年収は高い?低い?

・資格取得後すぐに独立して活躍できるの?

・AI時代における将来性は?

弁護士や税理士といった士業のなかで、土地家屋調査士はまだまだ認知度が低く、人気も低い国家資格です。

しかし、土地家屋調査士は、他の士業と同様に安定した収入を得ることができます。不動産は、人が暮らしたり、会社を運営するうえで欠かせないものです。

したがって、不動産の仕事に関わる土地家屋調査士の業務に対する需要も安定していると考えることが可能です。この記事では、そんな土地家屋調査士について士業資格の教科書編集長が幅広く解説していきます。

土地家屋調査士とは

土地家屋調査士は、不動産の状況を正確に登記記録に反映することによって不動産取引の安全を確保することを使命とする職業です。

日本では、土地や建物の面積や形、使い方が変わるたびに申請を行わなければなりません。この申請は不動産の表示に関する「登記」と呼ばれ、土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記を不動産の所有者の代わりに行う専門家として活躍しています。

不動産の所有者自身で不動産の表示に関する登記の申請を行うことはできますが、不動産の表示に関する登記には高度な法律知識が必要されます。

加えて、申請書類に記載される内容は、土地や建物の形状、面積などで、これは精度の高い厳密な調査・測量の結果として算出されるものですから、土地家屋調査士には高度に専門的な知識や技術が必要となります。

土地家屋調査士の業務内容

土地家屋調査士は、私たち国民の大切な財産である土地や建物の所在、面積に加えて、不動産の所有者の住所、氏名などを登記簿に記載して、これらの項目を一般に公開することを通じ、不動産の取引が安全で円滑になる役割を果たしています。

具体的な仕事としては、不動産の取引が安全かつ円滑に行えるようにするために、土地や家屋の調査・測量を行うことが主な業務内容となります。

不動産の登記情報(不動産の表示に関する登記)には、不動産の所在地や不動産の用途・構造・階数・面積などの情報が載っている表題部という部分、所有者の名前や住所などが記載されている権利部(甲区)、抵当権設定状況などの権利部(乙区)に分かれており、このすべての区分について土地家屋調査士は不動産の所有者を代理して記載しなければなりません。

記載するためには、土地又は家屋に関する調査及び測量が必要となるので、登記代行業務に加えて、調査・測量業務をしなければならないというわけです。

土地家屋調査士の業務は以下の5つです。順を追って確認しましょう。

【参考】『土地家屋調査士の業務』(法務省)

(1)不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量をすること

「不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量をすること」とは、不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映させるために、必要な調査及び測量を行う業務のことです。

不動産の価値は、面積や形、使い方、状態によって変わってきます。したがって、これらを正確に記録しておかなければなりません。

これは高度な専門知識と技術を必要とします。そこで土地家屋調査士は調査・測量を行うというわけです。

(2)不動産の表示に関する登記の申請手続について代理すること

次に、「不動産の表示に関する登記の申請手続について代理すること」の説明です。

通常、不動産の所有者は、調査・測定の結果にもとづいて不動産を特定の様式に従いながら法務省に登記を行わなければなりません。

登記書面は不動産取引を安全に行うことができるようにするため、法的に有効な書面である必要があります。

たとえば、床面積求積図から建物図面や各階平面図を作成しなければならないなど、登記の申請手続きにはやはり高度に専門知的な知識と技術が必要です。

これらの専門知識と技術を有しない人がこの登記書面を作成することはほぼ不可能であることから、土地家屋調査士はこれを代理することができることになっています。

(3)不動産の表示に関する登記に関する審査請求の手続について代理すること

「不動産の表示に関する登記に関する審査請求の手続について代理すること」とは、登記書類を法務省に提出しても申請が却下されることがあるので、それに対して不服申立てを不動産の所有者に代わって行うというものです。

却下された場合、書類内容に不備があるということになるので、この不備を正さなければなりません。不備を修正するためには必要な調査及び測量を再び行わなければならない場合もあります。

この手続も高度に専門的な知識を必要とするため、土地家屋調査士は不動産の所有者に代わってこれを代理できるというわけです。

(4)筆界特定の手続について代理すること

「筆界特定の手続について代理すること」とは、隣の不動産との境界線を定めた線を決める手続きを代理することをいい、隣の不動産との境界線を専門用語で「筆界」と言います。

筆界は、地図または地積測量図によって決定されます。自分が所有している不動産と他人の不動産の筆界を定めることは大変難しく、これが争いの種となることもあります。

したがって、専門知識と技術を有した土地家屋調査士が行うことによって、無用な争いなく円滑に筆界を特定することができるようになるというわけです。

(5)土地の筆界が明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る民間紛争解決手続について代理すること

「土地の筆界が明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る民間紛争解決手続について代理すること」とは、紛争解決の手続きを所有者に変わって行う業務になります。

(4)でも説明したように、筆界を特定することは非常に困難でときに争いを生じさせるものです。

したがって、そのような民事に関する紛争を解決するための手続きを、土地家屋調査士として不動産の所有者に代わって行うのです。

土地家屋調査士の年収

土地家屋調査士は給与が比較的高い水準で安定している職業です。

認知度が低いために他の士業と比較すると土地家屋調査士は稼げない士業の代表格と考えられがちですが、年収も高い傾向にあります。

ただし、土地家屋調査士の年収には幅があります。これはあとで説明するように、土地家屋調査士には様々な雇用形態があるからです。独立して活躍している場合もあれば、企業内で雇用されて活躍している土地家屋調査士もいます。

独立して活躍している土地家屋調査士の場合年収は800万円〰900万円程度と高くなる傾向にあります。ただし、土地家屋調査士の資格取得後すぐに独立できることは稀です。

多くの人は、資格取得後、企業や事務所に所属することになります。この場合の年収は、企業に雇用された人の給与+αで資格手当が出るだけということになるので、400万円〰600万円程度となります。

土地家屋調査士になるには?

土地家屋調査士となる資格を有するためには試験に合格する必要があります。この試験は、例年10月第3週の日曜日に実施されるものです。土地家屋調査士試験は、筆記試験と口述試験に分けることができます。

口述試験は筆記試験に合格した人だけが受けることができます。土地家屋調査士の合格率は8〰9%程度で推移しており、このデータからも土地家屋調査士になるのが難関であることがわかります。

試験合格後は、『土地家屋調査士法施行規則第8条』(土地家屋調査士法施行規則)の規定により、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に登録を行わなければなりません。

土地家屋調査士の試験制度

土地家屋調査士の試験において、受験資格に対する制限はありません。誰でも受験することができます。土地家屋調査士の試験は筆記試験と口述試験に分けることが可能です。

筆記試験は午前の部において、平面測量10問/作図1問が出題され、午後の部において、不動産登記法・民法他から20問(択一式)土地・建物から各1問(論述式)となっています。

筆記試験は例年10月に行われ、筆記試験の合格者のみ例年1月に口述試験を受験できることができます。

口述試験は1人15分程度の面接方式による試験となっています。

測量士・測量士補・一級・二級建築士の資格を所有しているような場合には、午前の部の試験が試験制度上免除されます。土地家屋調査士の資格取得を目指す受験者の多くは既に他の資格を有している事が多いため、土地家屋調査士になる人の多くが午前の部の試験を免除されています。

土地家屋調査士はこんな人におすすめ!

土地家屋調査士は、不動産業界での活躍を目指す方におすすめの資格です。

試験の制度上、測量士・測量士補・一級・二級建築士の資格を所有している人は、土地家屋調査士の午前の部の試験を免除されるので、比較的高い合格率で試験を突破することができます。

これらの資格を有する人が土地家屋調査士となれば、これまではできなかった不動産の表示に関する登記ができるようになり、仕事の幅が広がります。

したがって、すでに他の資格を有していて、不動産業界でさらなる活躍を目指したい方に大変おすすめの資格といえます。

不動産鑑定士は独学で合格できる?

土地家屋調査士は独学で合格するのは大変難しい試験です。

不動産登記法を中心として、「不動産登記令」「不動産登記規則」「不動産登記事務取扱手続準則」といった関連法規をきちんと理解しなければならないことに留まらず、市販されている学習教材が少ないということも独学での合格が難しい理由の1つとなっています。

そのため、不動産鑑定士の勉強をする際にはしかるべき予備校もしくはe-learningなどを上手く活用して効率的に学習することが重要です。

AI時代における土地家屋調査士の働き方

土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記を主な業務とする職業です。しかし、申請書類のフォーマットは決まっているので、この業務はAI技術の発展とともに少なくなっていくと考えることができます。そのため、土地家屋調査士は、申請業務で稼ぐということができなくなると予想されます。

しかも、土地家屋調査士の業務の1つである調査・測定という業務は、測量士の仕事と重なっています。登記が必要な個人の資産については土地家屋調査士が、登記が必要ない公的な資産については測量士が建物や土地の調査・測量が行われていますが、この棲み分けもAI時代には維持できなくなっていくことでしょう。

したがって、土地家屋調査士がAI時代に生き残るためには、他の職業と協力することが不可欠です。

たとえば、土地家屋調査士は、土地と土地の境界を確定させる際の立会いを行うのに際して、隣の土地の所有者への協力の依頼が必要となることがあります。

土地の所有者同士できちんと折り合いをつけておくことも土地家屋調査士の重要な業務の1つです。こうした交渉・折衝を伴うような業務は最もAIが苦手とする業務です。

今後、AI時代に土地家屋調査士が生き残っていくためには、交渉・折衝がうまくできることが欠かせなくなっていきます。

土地家屋調査士の就職先・活躍の場

土地家屋調査士の就職先は様々です。もちろん、資格取得後すぐに独立して事務所を開業することも可能となります。

しかし、土地家屋調査士の仕事は、不動産所有者からの依頼があってはじめて成立する職業なので、顧客との信頼関係を得ずに独立・開業しても仕事の依頼がくることはありません。

したがって、多くの土地家屋調査士は、資格取得後、土地家屋調査士の事務所に所属するか、不動産仲介業などを営む会社に所属することになります。

一度、事務所や会社に所属することを通じて、不動産所有者と信頼関係を構築したのち、独立開業するというのが、土地家屋調査士で最も多い資格の活かし方となっています。

まとめ

土地家屋調査士は、まだまだ十分に認知されていない職業ではあるものの、収入は高い水準で比較的安定している職業です。

土地家屋調査士は不動産登記の専門家として今後も活躍が期待されています。企業や事務所に所属後、独立開業を目指せば、年収1000万円を超えることも夢ではありません。

特に、不動産取引は売却をしたい人と購入したい人との関係で成り立つ相対取引によって成り立っているので、今後もその交渉や折衝に土地家屋調査士は活躍の場を見出していくこととなるでしょう。

この記事を書いた人
編集長カシワギ

士業資格の教科書編集長のカシワギと申します。コンテンツの作成とサイト運営を担当しています。士業資格のことならなんでもお任せください。

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